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練習曲をやるということ

ツェルニーの30番の28番を練習しなおしてます。

速度は信じられないほど遅くして、それでも先生に言われたことができなくて、狂ったレコード状態(別名キチガイ)に突入し、執拗に同じところを繰り返し練習。

何がいけないのか、どうしてできないのか、先生はヒントはくれるけど、自分で解決するしかないことがほとんど。

和音の音が全部均一にするためにどう打鍵したらいいのか、ほんとに全部の音が出ているのか、最後が短くなってしまうのはなぜなのか、次の音への準備はどうしたらいいのか、どうしたらかすることなく次の音が出せるのか。3度はスタッカートにしてみたりレガートにしてみたり同じ運指で違うところを弾いてみたり片手にしたり速度をもっと遅くしたり手元をガン見したり鍵盤をかすってないか顔を近づけてみてみたり。拍子はメトロノームに合わせるけどどうしたら自分の体で刻めるのか1、2、3と声を出してみたり体を揺らしてみたり足拍子にしたり。こんな光景誰にもみせたくない。リビングにピアノがなくてよかった。

できるようになった気がしたらまたできない、速度を上げると違うところができない、そんなことなどをやりつつ、少しずつ少しずつ地味に速度を上げているところです。



この間の練習会で、ツェルニー30を子供時代にやった方が、「一番15番が難しかった、16、18、23、26も難しかった」と話してました。小学生ですよ?なのに覚えてるもんなんですね。

その方が言うには、なぜかツェルニー30番に入ったとたんに今まで優しかった先生が豹変して厳しくなったのだとか。それを聴いたもう一人の方も、わたしの先生も30番で急に厳しくなったと言っていました。

そういやわたしの先生もなんですよ。30番を開始するまでは大人再開してから教本と呼ぶものはバーナムだけだったのですが、いきなり変わりました。豹変っていうか、相変わらず口調も優しいし笑顔なんですけど、一気に厳しくなりました。いったいなんなんでしょうね?ツェルニー30番ってやつは?

ともかく30番を開始してもう7年です。来年には8年になります。この練習曲でわたしは「ピアノってなんて難しいんだろう!!」とたたきのめされました。30番をやる前に、ショパンのワルツ7番とか、乙女の祈りとか、弾いてたんですよ。でも、ああわたしはドレミファソラシドすら弾けないんだと思い知ったのが30番でした。

最初の1番はメトロノームに合わせることがまるっきりできないという洗礼を受けて、それからもうそんなことばかり。今の28番は、ああわたしは和音も(3度も)弾けないんだ、その前の27番はああわたしはドソミソも弾けないんだ、で、全編を通して、ああわたしは聴いてるつもりで全然聞いてないんだな、刻んでるつもりでちっとも刻めてないんだな、です、現在進行形。

でも、徹底的にできない自分を思い知らされるのは、よかったような気がします。

なぜなら、自分がいかにへたくそか卑屈になることもなくそのままその通りに理解するようになったし、一生懸命やってるひとをばかにするなんてとんでもないし、できない自分に驚愕して努力してそれでもできなくて落ち込んで泣いて逆ギレしてまた黙々と努力する不器用な左手君が、自分そのもののような気がするからです。



わたしは、全然注目されることもなく、ひたすら地味に生きています。

仕事はしてるけど華やかなコースではないし、友達はびっくりするほど少ないし、色々と恵まれないことも心の傷もたくさんあります。それはもう現在進行形で。

それでも、こうしてピアノを弾いて、ブログを書いて、

わたしも30番やってるんです!とか、

勇気をもらいました、とか、

共感しました、とか、

一緒に頑張りましょう、とか、

ありがたい言葉をもらうことがあります。

欠点だらけの全然ダメな人間の「わたしなんか」が。



でもわたし、ピアノを再開して9年の間に、自分のことを「わたしなんか」って言うのやめようって決めたんですよ。

だって、頑張ってるから。

色々と残念でも、ひとをがっかりさせたりいらつかせたりすることがあるかもしれないけど、そうして傷ついたり泣いたりもするけれど、わたしは、わたしなんかじゃない、そう思うようになったんです。ピアノじゃなくても。



できないことをできるようにすることが練習じゃないって言う人もいるみたいだけど、

30番は「できないことをできるようにする」ことばかりです。

できないことをできるようにするためにどうしたらいいか、辛くてもやめたくなってもひとりであれこれ努力していると、ふと気が付くとみててくれる人がいる。

うん、やっぱり、コツコツと頑張ろう。弾いてるのは「わたし」だから中身はわたしのままだけど、人より時間がかかっても、できるようになることがあるかもしれない。どうしてもつらい時は休んだり誰かに相談してもいいじゃないか。あれ・・・・ピアノの話だったんだけど・・・。



今のツェルニー30番の28番。速度を落としてやり直し中。ピアノは果てしなく難しくて、果てしなく楽しく、いつもわたしを救ってくれます。ピアノがあってよかったな・・・・。