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覚悟とか努力とか恐怖とか

シューベルトのアレグレット ハ短調 を、本番で暗譜で弾こうと決めたのは少し前のことです。

暗譜で弾くと決めると、わたしはたいていの場合、「お守り楽譜」(分からなくなった時のために一応持参する楽譜)をステージに持って行かないことにしています。

なんでかというと・・・

覚悟?腹のくくり方?が減少するせいか、本番中に、「わたしは誰ここはどこ現象」(本番中に記憶が飛んで次がでてこなくなる)が出現する率が上がるような気がするからです。

これはもしかするとわたしだけかもしれません。

でも、過去の本番を考えてみると、お守り楽譜ありとなしでは、もう断然、なしのほうが失敗率が減った気がするんです。

なしで弾くのは、正直言うと、怖いんですけどね・・・(;´∀`)

怖いからこそ、練習します。

本番前に狂ったように何度も何度も同じ曲を練習するのは、怖いから。



前に、公開レッスンを見学した時の事。

コンクールを控えた子供の生徒さんが先生に、本番前の緊張対策を質問していました。

そのピアニスト先生は笑顔で、「失敗しても、死なない」と答えました。

その時、こんなすごい人でも本番の前は怖いのかな?そうやって自分に言い聞かせているのかな?と思いました。



夜は、羽生選手の演技とインタビューを観ました。

前回はオリンピックの魔物にやられたけど、今回は魔物に助けられた、そして、連覇するために色々なものを捨ててきた、と話していました。

まだ23歳、あまりの覚悟と努力と精神力と謙虚さにただただ脱帽でした。

わたしにとってピアノは趣味だけど、本番までに、やっぱりできるだけのことをやろうと思いました。

それで、「・・わたし練習してくる」と言って、夜もう一度アレグレットを練習しました。



舞台の魔物が助けてくれることなんて、あるのかな?

ものすごい努力をした人には、魔物は微笑んでくれるのかもしれませんね。

ひたすらひたすらアレグレットを弾いていたら、中間部の左手が前よりもっと聴こえてきました。

ああ、この感覚、シューマンのアラベスクの二度目の本番直前にやっとバスのメロディがはっきり聴こえてきたときに似ている、と思いました。

たったひとりで膨大な練習をして、たったひとりで舞台に立つ、ピアニストとスケート選手はどこか似ていますね。

まるでいとも簡単に弾いてるかのような美しい音を、生で、聴きたくなっちゃいました。

オリンピックを見てコンサートに行きたくなるのって、わたしぐらいですかねえ・・・。
















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2 Comments

ねこねここねここたつでねてる  

はい、そんなのはねこぴあのさんくらいでしょう^^♪

暗譜のときの練習、おっしゃるとおりだと思います。私は許される限り暗譜はしないのですが、暗譜のときの練習は全然違いますね。 ということはそのくらい練習して毎回の場に臨むべきなのでしょうね。 それ以前に毎週のレッスンも・・・言葉でうまく表現できないのですが、次のレッスンのときに「前回、ここまでやっておくべきだった」と思うのです。そんな先生に申し訳ない状態でのレッスンを繰り返してしまっていて反省です。

2018/02/18 (Sun) 11:20 | EDIT | REPLY |   

ねこぴあの  

ねここたつさんへ

やっぱりわたしぐらいですか(笑)

暗譜の時の練習はやはり違いますか?
毎週のレッスンは・・・・仕方ないんじゃないですかね~・・・働いてたり子育てや介護があったり、大人は多忙ですもの。先生に同じことを何度も言わせてしまうのは申し訳ないとは思いますが、練習できなくて申し訳ない・・とはわたしはならないかもです。だって可能な限りやってるし(笑)
この「可能な限り」というのは枠が広くてですね・・・
ときには練習しないでゆっくりテレビを見る、友達としゃべる、などの気分転換をしないと毎日の生活の継続をやっていけないこともありますから、「練習しない選択」も継続のために範疇内だと思います。わたしの場合はちょっとイカれてますけどね・・・(笑)

2018/02/18 (Sun) 16:02 | EDIT | REPLY |   

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