巨大な水たまり
ゆっくり弾き始めるのに自然とだんだん速くなってしまうことでよく注意されていた記憶が。
それは大人になっても同じだったようで、メトロノームを使って必死に修正しているのだけど(現在進行形)。
気持ちが盛り上がる、フォルテになるなどで特に顕著だけど、そうじゃない場合でも、今でも、なぜか、勝手に速くなりがち。
今日はインベンション11番をメトロノームで練習してみた。
だけどなんだか・・・・
ツェルニーのメトロノーム地獄のトラウマ(?)なのかなんなのか、気持ちが盛り下がって、メトロノームを止めてしまった。
淡々と弾けばミスは減る、ミスが減れば音を次々と出す快感で楽しいのは楽しいけど、何かおかしい。何にも乗ってない音の羅列みたいな感じ。
それで、感情を乗せようとすると途端にミスが。え?ここで?まただ・・・。ここもか・・・。うそでしょ・・・。
ミスするところを取り出し練習すると、ありえないほど、脳が動かないときがよくある。あまりに脳と手が連動しなくて、声に出して「343!」とか言ったりする有様。
そうこうしてなんとか間違えないようになると今度はその少し前から弾いてみる。さっきできたのに・・・・。またできなくなってたりする。やり直し。
ミスをすればどこで間違うかが分かって対策できる。だから逆に練習過程ではいろんなパターンでミスした方がいいと思うけど、ミスをしたままの癖をつけないほうがいいから、やっぱりゆっくり弾く。でもそうするとやっぱり速くなる。
ゆっくりより、速いテンポのほうが乗れるからなのか。
もう何度も何度も聴きすぎてるのかな、この曲を。いや、すべての弾く曲を。
かといって速く弾くと、ミスが増えるだけじゃなく、音がきたなーーーい(´;ω;`)
インベンション11番は1回レッスンを受けただけなので、全然慌てることはないんだけど。
最近の心情にマッチしてて、ピアノのふたを開けた時は狂ったようにそればかり弾いてしまう。
ピアノが、わたしが心の中のもやもやを消化するのを、助けてくれる感じ。
怒ってるわけでも泣きそうでもない。
それでも、巨大な水たまりの中にひとりぼっちで入っちゃったみたいな、歩いても歩いても水たまりみたいな気持ち。
大きな長靴を履いているから、絶対濡れない、傘もある。疲れているわけでもない。水たまりの中を歩くのって楽しい、そんな感覚すらある。そのうち必ず家族が迎えに来てくれる安心感も。
あるけど、それでも、ひたひたと、静かに悲しい時もあるのだ。
誰にも言わずに飲み込もう。
この曲を弾いて、この曲と一緒に、黙って飲み込むことに決めている。
ピアノが弾けるって、幸せなことなんだなあ・・・・。
今日のインベンション11番↓
まだこれからということで。聴いてくださった方、ありがとうございました。