歳をとるのも悪くない
空腹も忘れ、ようやく家に帰ったのが14時半。
そこでやっと職場で食べる予定だったお弁当を開けました。
空腹が満たされると、せっかく思いがけずお休みになったのでと、ちょっとだけピアノの練習をしましたが、
疲労のためか、眠気がすごい。
わたしは普段、ちょっとうたた寝ができないひとなのですが、こたつにゴロンと横になりました。
いつのまにか眠っていたら子供の一人が帰宅したので、
「おばあちゃんが入院したんだよ。ママ疲れていてだめだ。夜ご飯作ってくれない?」と言うと、また寝てしまいました。
寝ながら、台所の音がうっすらと聞こえました。
ああ、ずっと前。もうずうっと前に、こういう音を聞きながら寝たことがある。
そう思ったけど睡魔には勝てなかったのです。
目が覚めると、こたつ布団の上に、ねこがいて、子供がご飯を作り終わって洗い物をしているところでした。
「ありがとう。助かったよ」
「おばあちゃん、どうなの?」
そんな会話をしてから洗濯物をたたんで。
もう一人の子供が帰ってきてまたそんな話をしてから、
今日は本を読むことにしようと、お互いに、別々の本を隣で読んでいました。
わたしは今もまだ、山崎豊子さんの「大地の子」を読んでいます。もうすぐ文庫本全4巻中の2巻が終わるところ。
分からない言葉があると、その都度スマホで調べています。
アラフィフになって体力も記憶力もがくんと落ちました。40歳の頃とは比べ物になりません。
ピアノは、全然進展がありません。バルトークのソナチネは、わたしには無理なんじゃないかなあとすら思います。
でも、暖かい部屋で、お腹いっぱい食べられて、死の危険もない幸せがあります。
加齢とともに、欲が少しずつ少しずつ減ってきて、こういうのも悪くないなあ、と思いました。
歳をとるのも、悪くない。
そう思いたいだけなのかなあ~。
でも、ほんとにそう思うのです。