ピアノで学ぶこと

ピアノで学んだことは、数え上げたらきりがない。
ピアノを弾くということそのものはもちろん、
1人の師について何かを習得すること、
師の教え方が仕事で人に指導するときに生かせたこと、
せっかちだったわたしが、練習を通して忍耐強さを知ったこと、
王道に近道なしと感じたこと、
誰に笑われようと自分が信じたことを貫けばよいこと、
自分を好きで応援してくれる少数の人を大切にすればよいこと、
本当に優れた人は、できない人や無知な人を馬鹿にしたりしないこと、
自分が信じたこと(人)を信じることが難しいこと、
それでもぶれずにやり続けることが大切なこと・・・・・
この間読んだ「西の魔女が死んだ」という本で、思いがけずにピアノを連想する文章があった。
いじめで登校拒否になった中学1年生の少女が、1人暮らしのおばあちゃんちに1か月滞在する。
おばあちゃんは外国人で、自らを魔女であると少女に言う。
超能力?と少女は聞く。
「多かれ少なかれ、人にはそういう力があるんですよ」とおばあちゃん。
少女は、おばあちゃんに「わたしも超能力を持てるようになるかしら」と言う。
その時のおばあちゃんの答えが、こうなのだ。
「それではまず、基礎トレーニングをしなければ。スポーツをするのに体力が必要なように、魔法や奇跡を起こすには精神力が必要です。精神力っていうのは、正しい方向をキャッチするためにアンテナをしっかりと立てて、身体と心がしっかり受け止めるっていう感じですね。この世には悪魔がうようよいます。精神力が弱くなった人間を乗っ取ろうと、いつでも目を光らせているのですよ。まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする。一番大切なのは意志の力。自分で決めたことをやり遂げる力です。」
中略
「生まれつき意志の力が弱くても、少しづつ強くなれますよ。最初は何も変わらないように思います。そしてだんだんに、疑いの心や怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。それに打ち勝って、ただ黙々とやり続けるのです。そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われる頃、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見することになる出来事が起こるでしょう。そしてまた地味な努力を続ける、退屈な日々の連続で、それの繰り返しです。」
少女は早寝早起きからまずとりかかる・・そして・・・(この先は読んでみてください)。
赤文字のところ、まさにピアノそのものですね~。
ツェルニーのドS野郎~~!!
楽譜を何度も床に投げつけたくなって、
レッスンで言われることは当たり前のことなのに、重箱の隅をつつかれているような気分になって、
いくらやってもちっとも上達しない気がして、
うまい人の演奏を聴いて落ち込んで、
何やってるんだろうと空しくなって、
それでも、
以前の自分とは違う自分を、
ある日突然、気が付くときがくる。
ただただ、
ほんとうに、
先生に、周りの人に、
感謝だなあ・・・・・。
ちっぽけで未熟な自分を、育ててくれて、ありがとう・・・。