ものすごい世界だから丁寧に。
ソプラノとバスを弾いてソプラノを歌う、
ソプラノとバスを弾いてバスを歌う、
アルトとバスを弾いてアルトを歌う、
・・・・
3人で弾いてソプラノを歌う、
3人で弾いてバスを歌う、
・・・・・
などやっていたら、全部で9通りの練習が必要。
大変だな~~・・・と思っていたら、とんでもなかったんです。
1声で弾いてみたら、びっくりするほどソプラノが弾けずバスの指が転ぶ転ぶ・・・・(;゚ロ゚)(アルトは偏愛しているのでわりと弾きやすい)
つまり、9足す、3、で、12通りの練習が必要だってことに、今更ながら気がつきました。
そこでやっていくと・・・・
ふと思い出しました。
「1声ずつ弾いて、2声ずつで今度は弾いて、それができるようになったら3声で弾くこと、3声で弾くのは最後だよ」
先生の言葉を。
あ。
ほんとだ。
その通りなんだ!!
シンフォニアは4曲目なのに、
今までは言われていたからやっていたけど、
やっと、その意味が分かったような気がしました。
昨日のピアノの師匠のオンラインレッスンでは、この8番はフーガの形だと教わりました。
フーガってよく分からなかったんですけど、「すべての声部が関係調で、テーマが模倣される形」のことをいうみたいです。
笑点の大喜利みたいに、「さあ、これを使って遊んで♪」みたいに、テーマが出されて、みんなでテーマを使って遊ぶ(面白いですね!)。
4小節からのソプラノとアルトのかけあいはテーマのかけら。テーマを使って引き延ばして膨らんでいき(つなぎの部分で、嬉遊部、きゆうぶ、というそうです)、7小節でC durが終わる。
するとそこから先はd mollに。
わたしは写真の10小節のずっと黙っていたアルトが別人になって出てくるところがすごく好きなんです。アルト、どうした?!何があった?!!みたいな(笑)

ここはg mollで、モーツァルトは短調の曲はg mollしか書かなかったとか?劇的な性格を持った調なんだそうです。
あと、d mollが終わってからの、15小節の始まりのこのアルト(ファレシ)も好きです。

このファレシは大切なことをそっと教えるように、大事な台詞として弾きたいな!
耳を澄ましながら始まり、徐々に盛り上がって・・・・
17から18小節の、(親しみや愛情を表らしい)愛の6度でできた、ソプラノとアルトの長いハモり♪気持ちが高揚しますね~。

ここはB durで、わたしにはキラキラと輝いて聞こえます(*^o^*)
その後は、音が上がっていき、21小節でサブドミナント、ドミナントを経て、22小節で名残惜しむようにもう一度テーマが出て、たたみかけるように花火が上がるかのようにストレッタで盛り上がって終わる。
ストレッタは、ネットで調べると、フーガの終わりで主題とその派生したものが順々に出てくる「急迫部」のことだそうです。
ああ、
バッハの世界は本当に本当に楽しくて、そして本当に本当に難しい。
だまし絵みたいなところもあるし、隠れミッキーはいるしで、たくさんの仕掛けが隠されているみたい。
何にも考えず弾いたら聞いたら、あっという間に終わる小さな曲のシンフォニア。
ものすごい世界です!