天に召される
最後のページのここ。

理屈じゃなく、
あ、死ぬんだな、と思いました。
天に召されるその時、
ハ長調なんですよ。
そして、196小節から左手に出てくるメロディ、ミレド。
とても明るいミレド、素焼きの、何一つ装飾をしていない、模様も何もないような、ハ長調(合ってるのかは不明)。
そして、伴奏で出てくるアクセントのついたソ。
ソは、この曲の、影武者。
とても大事なキーパーソン。
この曲を初めて聞いたとき、
なんて終わり方がしついこんだろう、ここまで繰り返さなくてもいいんじゃないか、と思ったものですが、
なんだろう。
今は、この終わり方でいいんだ、と思います。
ミレドは何回も繰り返されて、
そうして最後に、202小節で、あえて最初の右手和音は、ソがないんです。
でも左手にはちゃんとソ。
からの、右手のソ。
もう一度、ソありでフェルマータ。
まるでソの音をよく聴かせるように。
明るい明るいハ長調の主和音ドミソ。
シューベルトは、死を、暗いもの、タブー、として考えていなかったんじゃないかな。
希望の光みたいな、でもとてもシンプルな終わり方。
そして、やっぱりソは、その橋渡しをする、大事な音なんじゃないかな。
この終わり方こそが、
シューベルトがこの曲でもっとも言いたかったことなんじゃないかな。
なんて、素人ながら、音を出しながら、考えてしまいます。
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