インベンションとシンフォニアは小宇宙

お気に入りのエッシェンバッハのCDで、シンフォニア3番を聞いていて、あれっと思った。
それで、グールドのCDと聞き比べをしてみると、グールドのほうが、アルトを歌っている!
今日のオンラインレッスンでは、シンフォニア3番がどれほど難しいか、よく分かったところ。
なのにグールドはやっぱりすごいなあ!
グールドのCDの解説を読んでいたら、こんな記述が。
15曲のインヴェンツオのあとに15曲のシンフォニーアが続き、それぞれがハ長調から次第に上行してロ短調で終わるという配列をとっている。
えっ・・・・・
そうだよ、同じ調だから、グールドのCDではインベンションとシンフォニアをわけずに、インベンション1番、シンフォニア1番、インベンション2番、シンフォニア2番、としている。
あれっ・・・ひとつずつ上行・・・・?
楽譜を確認。
調号をみながら、G durなど書き込んでいった。
#だからこの調は・・・・
あっ短調はみっつで・・・・
あっ、フラットは、そっか!
そうか!そうなんだ!腑に落ちる瞬間ってこういう感じなのかな・・・・。あ、わたし、やっとわかってきたのかも?
前に買ったファイルと見比べながら、1曲ずつ楽譜に書き込んでいった。

以前は、移動ドの人だから鍵盤で音を出せば最初の音が分かったけど、譜面をみただけでは分からなかった。
「ト長調は、ドからみて5個上のソ、シャープがひとつつくごとに、5個ずつ上に行くんだよ」
ずっと前に先生が言っていた言葉を思い出す。
ほんとだ。ほんとにひとつずつ上行してるんだ。
・・・でも、インベンションとシンフォニア、E dur(ホ長調)だけはEs dur(変ホ長調)があるのは、どうしてだろう?
このグールドのCDの解説には、こうも書いてある。
この曲集は、奏法の手引きであり作曲の範例であると同時に、最高の芸術作品である。その音楽は華やかさこそないが、心を込めて聞く者には比類ない美しさをもって語りかけてくる。
各曲はいずれも短い。だがそのわずかな小節の中に、音楽を音楽として成り立たせているすべてが含まれ、1曲ずつがこの上なく完成された音楽のミクロコスモス(小宇宙)を形作っているのである。
・・・・うん。
そうかあ。なんだか嬉しい。
時間をかけて学んで行く価値が、十分に、十分過ぎるほど、あるんだなあ。