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旅先で。(妄想編)

「僕」は今、

本妻のあわれみ(主よあわれみたまえ)の家を出て、旅をしています。



電車を降りてのどかな美しい田舎を歩いていると、

古く小さな小学校の中から音楽が聞こえてきました。

思わず中をのぞくと、中年男女が音楽室で3人で歌っていました。

シンフォニア3番です。

あまりにも楽しそうで、わくわくして、ついうっかり参加してしまったのが運の尽き。

合唱がそもそも難しいのに、指が思うように動かない体育会系で悪戦苦闘することに・・・。



「僕」の目的地はシンフォニア14番。

「ここはどうせ旅先なんだし適当にして帰ろう」と思っていると、

ロングドレスと黒いマントを身につけ、爪は短く切ってあり、手に鉛筆を持ったおばあさんが現れ、

「あんた自身がソプラノにもアルトにもバスにもなるのさ。これができないで先には行かせないよ」と言われました。

ええっ・・・そんな・・・・!?と思ってソプラノちゃん、アルトちゃん、バスくんを見ると、彼らは「僕」を歓迎してくれているけど、「適当に合わせて終わりにしようとする僕」はノーサンキューな空気。

困惑して「でもおばあさん、これ本当に難しいんですよ?」と思わず言うと、

「当たり前だこれはシンフォニアじゃ。嫌ならやめて好きな音楽を適当に弾き散らかすがよい」とぴしゃり。

なんてこった・・・・。




練習でくたくたに疲れて宿泊先へ。

ビュッフェで夕食を食べていると、

「ここ、いいですか?」

隣の席に、美しい青年がすわりました。

端正な顔立ち、でもどこか悲しげな。

お互いに一人旅同士。遠く離れた場所で、年齢が近い者同士。それに、穏やかな話し方といい声になんだか惹きつけられました。

お酒も入り、どちらからともなく自然に話していると、

「本当は恋人と一緒に来るはずだったんです」

青年は、遠くを見ながら、ぼそっとそう言いました。

「僕」は、なるほどこりゃ失恋旅行だな、と思い、「別れてしまったのかい?またいい人が見つかるよ」と言うと、

「いえ、死んでしまいました」

まるでパンを買いに行ったら売り切れでしたみたいなあっさりした言い方で、そう答えるので、驚いて、青年の顔を凝視して何も言えないでいると、青年は、色々なことを話し始めました。

青年の名前は、即興曲90-1



あの得体の知れないおばあさんの元で、行きがかり上、明日もあの中年3人と練習することが決まっているのに、

ああ、それなのにどうして「僕」は、

この青年の強い想いに、こんなにも引き寄せられてしまうんだろう。



あわれみ、ちょっと長い旅になりそうなんだ。

待っててくれるかい・・・?











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きょろぴ~
2021.04.29 Thu 20:12

奥様は待っていてくださいますよ!
長旅を終えて戻られたら、より一層の愛情と違う気付きがあるのではないでしょうか。

ねこねここねここたつでねてる
2021.04.29 Thu 20:53

僕は本妻の家を出て・・・一瞬ギクリとしました。 爪を短く切ってえんぴつを持った、というのは懐かしい亡きブロ友様のイメージでしょうか? そして即興曲の青年は分厚いメガネのシューベルトというよりはショパンのイメージ? それとももっともっとイケメン? ちょっと長い旅になるのをまっているあわれみさんは別名ソルベーグとか。 他にもご一緒にお酒でも飲んでいたらツッコミどころ満載で、ねこぴあのさんの妄想の世界、楽しませていただきました。

ねこぴあの

きょろぴ~さんへ

ねこぴあの
2021.05.01 Sat 21:10

きょろぴ~さん、こんばんは^^

久しぶりにシューベルトの即興曲90-1を練習していると、そりゃあもう難しい曲なのですが、あれっ・・・??やみくも感が減っている・・・と驚きます。あわれみが鬼難しかったので、その効果かも?!
より一層の気づきがあるといいなあ^^



ねこぴあの

ねここたつさんへ

ねこぴあの
2021.05.01 Sat 21:14

ねここたつさんこんばんは^^

即興曲の青年は、そうですね~シューベルトというよりは、繊細で神経質そうな美青年のイメージです。実在の人物だと、ちょっと思い浮かばないけど、ショパン近いかもです。
おばあさまはモデルはいないですが、しいていうならアルゲリッチか内田光子様かなあ(笑)
待つ女性は確かにソルヴェイグっぽいけど、残念違います!
あわれみは賢く美しく、人間離れしたような、ちょっとそこらへんにはいない稀有の存在なのです(^^♪