亡き王女の進捗状況
前回のレッスンで3月の発表会で急遽ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の連弾を先生とすることになったので、そちらも練習しています(練習時間はバッハ>王女>ハノンだけど・・^^;)。
この曲はテンポは変化するのですが、まずは拍を刻めないとセコンドと合わせられない。
ので、メトロノームを使い練習しています。
やりにくいところを間違えない速度にすると、すごくゆっくり。
長調なのになぜ全体を通してもの悲しいんだろうと思っていたのですが、
この曲はG durではなく、e mollでした!
オンラインレッスンで師匠曰く、
・わざと調性を不明にして、曖昧な感じを出している。
・いきなり遅くするところは、映画で一瞬全てがスローモーションになるような感じで
・複雑な響きで、冷たいアイスに熱いエスプレッソをかけたような対比を作っている
・問いかけが続き、2段構えで遅くするところは、大事なことが刻まれる
・Gではなく属調のDに行き、かりそめの答えとなる
・D durで終わるのを何度もやり念押しして増4度で緊張が続き、答えは本当にそうなの?に落としている。
・ラヴェルはセブンス、ナインスの和音が好き。セブンスの後のナインスの和音は山の頂点、しっかり出す。
・転調を激しく繰り返し、強度を増していく
・繰り返しもまったく同じにせずロココな書き方にしたりしている
・結局どれも本当の答えではなく、結末を悲劇なのか喜劇なのか分からない終わり方にして、最後に謎を突きつけ、謎めいて終わる
だそうです(記憶が違っているところがあるかも)。
自分がやりたくて始めた曲だし、とっても綺麗なんですが、
練習を始めてみると、変な終わり方だし、「で?結局何が言いたいの?」って感じだし(プリモだけで弾いてるし、弾いてるのが自分だから?)、なんだか全編を通して、自分のことじゃなくて他人事って感じで、冷たい感じがして、なんだかやる気が起きなかったのですが、
師匠曰く、ラヴェルは「情感を避けて本心を隠す人」だそうで、オンラインレッスンを受けて、なるほど、と腑に落ちたのでした。
ともあれこの曲、
音が汚いのではお話になりそうもなく、
ただだらだら弾いたのでは、意外に長いし繰り返しもあるしで、それでなくても謎めいているのならなおのこと、聞いている人はどう思うんだろう。
それに、今までずっと曲ごとに言いたいことがあったのに、これはただ音を出すだけになってしまいそう。
もっと言えば、どうやらこの曲、自分には合わない?
実際に音を出してみて分かる事ってあるんですね。
連弾でよかった(笑)