fc2ブログ

 バッハ カンタータ第106番 「神の時こそ いと良き時」

生まれ育った家に老人はおらず、老いや死はよく分からなかった。

10代で病院実習に行くと、病気やけがで苦しむ人に、死にゆく人に、かける言葉が見つからなかった。

なんて言っていいか分からず、

もたもたした手つきで身体を拭く学生に、

震える手で、自分の名前を一生懸命書いてくれたおじいさん、

今度うちに遊びにおいでと言ってくれたご家族、

初めての患者さんの死、

忘れることはない。





バッハのソナティナBWV106の2台ピアノを弾くことになったので録画してみた。





それからネット検索していると、こんな文章を見つけた。


曲調が全然そうじゃないのですっかり忘れていたけど、この曲は葬儀の時の音楽だったのだ。

ソナティナだけじゃなく最初から最後までが、YouTubeにあった。




ショックを受けた。

自分が出している音と全然違う。

音だけじゃない、何かが全然違う。




「眠るように逝きたい」

ベッドの上で遠くを見ながらわたしにそう言った患者さんの表情を思い出し、

聴きながら泣きそうになった。




わたしもいつか必ず死ぬ。

死ぬときはこの曲をベッドの横でかけるよう、子供にお願いしておこう。

アマゾンでCDを見てみたけど、どれを買っていいか分からないなあ。

お勧め、ありますか?













スポンサーサイト



2 Comments

ねこねここねここたつでねてる  

こんにちは。 
眠るように・・・私も考えます。私の場合は苦しまずにという目的なので即死でもいいのですが、ねこぴあのさんは魂の問題ですね。美しい静かな曲・・・大切な人を失う悲しみの大きさは同じでも「死」に対する考え方はクリスチャンの彼らと私のような一般的な日本人とは少し違うような気がします。神様のおそばに召された愛おしい人の魂が安らかにありますように、のような。死にゆく人にかける言葉がなかった・・・今の私もそうだと思います。この年齢になってさえ誰かの臨終に立ち会ったことは一度もありません。愛猫も病院で亡くなりましたが、最後に一緒にいたときに「可愛いね、大好きだよ♡」を何度も何度も繰り返して撫でました。

CDのおすすめはわからなくて申し訳ないのですが、ご自分で好きなように弾かれて録音しておくという手もありますね。 2人分をひとりで重ねて録音するのは難しいのでしょうか、わからなくてごめんなさい。昔は懐かしいラジカセで再生しながら別のラジカセで録音しました。気をつけるのは再生の音量だけw 練習していて新しい発見や進歩があったら差し替えていくのも楽しみになるかと思いますw

2023/04/10 (Mon) 10:48 | EDIT | REPLY |   

ねこぴあの  

ねここたつさんへ

ねここたつさん、いつもありがとうございます^^

この曲の前奏曲にあたるであろうソナティナ、
どこまでもどこまでも続く穏やかな地平線のような、
ゆったりと流れる雲のような、
人力ではどうにもならない抗えないものを優しく包み、神に召されていくような、不思議な癒しがあると思いました。

最期にかけてもらった言葉を抱いて召されていったのでしょうね。
ひとりぼっちではなく、幸せだったと思います。動物って、分かるんですよね、ちゃんと。人間もですが。

ソナティナ、ソロバージョンがあるようなのです。アマゾンでは買えないようで、検証中です。



2023/04/10 (Mon) 22:29 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment