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「何も言わず生きてきた」

シンフォニア9番の歌詞ができてしまいました。

一番最初に浮かんだのは、5小節のアルト。ドレドシーが「一人で~」と聞こえてきて・・??(゚д゚|||)何が一人で??

でも、次に出だしのアルト。ファラソ・ソシレ・シミファーミレドシラが「何も・言わず・生きてきたけれど」・・・何も言わず????(°_°)



次はバスの出だしです。ファファミミ・レレドシドドファが「一人で生きてきたけど」・・・この瞬間、もう完全に9番は、苦悩するバス君の曲になってしまいました。




バスの告白←過去記事参照。



バスは親に愛された感覚を持てないまま大人になりました。

家は裕福で、頭がよく、身長があり顔だちが整っていて、性格が優しいバスは、バレンタインでチョコをたくさんもらうようなタイプでしたが、一度も、女性を愛せなかったのです。

両親は二人とも社交的で傍目には仲がよく見えますが、夫婦関係は破綻しており、両親そろって浮気をしていることを、バスは高校の時に気がついていました。

両親はどれほどいい点を取ってもバスを褒めることは一度もなく、10歳下の弟だけをかわいがりました。

バスにはその理由が分からず、可愛い弟にいらだちや憎しみを感じる自分が嫌でたまらず、自分は生まれてこない方がよかったんだと思っていました。

近所では目立つ大きな家、庭には芝生が広がり、白いテーブルセットが置かれたテラス、中から聞こえるピアノの音。

庭で犬と遊ぶ弟を見ながら、せめて弟には親の浮気のことは言わないと決めました。



部下の1人に、なぜか周りからちょっと浮いている女性社員がいました。

しかしバスにとっては仕事上不都合はなく、自分のことを今までの女性のような目で見ないので、仕事をしていて気が楽でした。

ある日飲み会の後、その女性社員が男性社員から絡まれているところを助け、

それがきっかけで、少しずつ、本当に少しずつ、距離が縮まっていきました。



「もしかしたら俺はあいつを好きなのかもしれない」

そう思っても、怖くて、その子が自己開示をしてきても、バスは逃げていました。

本当は気になって仕方がないのに、もっともっと知りたいのに。

けど、バスはある日気がついたのです。

人を愛するということは怖いこと。

本当は、その子も怖いんだということに。

それでも、バスを笑顔にしようと懸命なその子にむくいたい、自分自身を変えたい、と思い始めました。



バスは自分の家の異常性について過去に一度だけ、少し友達に話したことがあるのです。

「あんなにいい親なのに何贅沢言ってんだよ、大学行けないやつだっていっぱいいるんだぜ?親に感謝しないと」と言われました。

勇気を出して話したのです。その時に、もう二度と人には話すまい、どうせ分かってもらえない、と思いました。




けれど、その子には、今度はちゃんと、順を追って話しました。

これで嫌われるのならもうそれでいい、それでも自分をいいと思ってくれるなら、と一縷の望みをかけたのです。

その子は、真剣に聞いてくれました。

そして受け止めてくれました。

長い長い話を聞き終わると、「・・・辛かったですね」と言って泣いていました。




それから1年後にバスはその子と結婚しました。

その子が結婚退職してから初めて、浮いていたのではなくいじめに遭っていたことを知りました。

心配をかけたくなくて、バスには言わなかったのです。

生まれた子供は妻によく似た女の子でした。

「自分に似ていなくてよかった」

安堵するバスに、妻は「ここがあなたに似てる」「ここもそっくり」と嬉しそうでした。

子供を愛せるかという不安は杞憂に終わり、

自分は愛されるに値する人間で、生まれてきて本当によかった、やっとそう思えるようになっていました。




家族を愛せば愛するほど、妻の実家を知れば知るほど、自分の実家の環境の異常性が心の中で浮き彫りになりました。

それからほどなくして、バスは自分の実家へ帰ることをやめたのです。




シンフォニア9番、

ところどころ現れる長調が、何故か逆に切なく、

最後はピカルディ終止で終わるので、

こんな歌詞になってしまいました(^_^;)





☆歌詞☆

ソプラノ

何も 言わず 生きてきたけど 1人で 1人で 1人で 1人で

ほんとは寂しくて 心の中 何も 言わず 1人で けれど今は 

そばにいる 心に決めた そばに いるわ あなたのそばに

勇気 出して 話して心の声 ほんとは 寂しくて

あなたのこと 何も 知らず けれど今は自分信じて

ほんとは寂しくて そばに いるわ  自分信じたい

心の声 話し てみて 気持ち 何も 言わず

生きてきたけれど 1人じゃない これからは 1人じゃないから



アルト

何も 言わず 生きてきたけれど ほんとは寂しくて

1人で 1人で 生きてきた

あー心 閉ざし 生きてきた 人には話さずに

何も 言わず 心の中 何も 言わず 生きてきたけれど

ほんとは寂しくて 心の声 話し てみて 気持ち

何も 言えず生きてきたけれど

そばにいるわ あなたのそばにいるわ あなたのそばにいる

ずっと 勇気出して そばにいる 理解できずとも

ほんとは寂しかった 気持ち 聞くわ 話して 勇気を出し

ほんとは寂しかった 気持ち 聞くわ 1人じゃないから



バス

1人で生きてきたけど 心閉ざし 生きてきた 人に話さずに

何も 言わず 生きてきたけれど 自分より大切な人を守っていくと決めた

心閉ざし てた僕の 気がつくとそばに 勇気 出して 話してみる

ほんと のこと 心閉ざし 生きてきた うまく話せない

僕の 過去に 起こったこと人に 知られて傷ついた 

だから 言えず 生きてきたけれど 心の底 本当は 君を信じたい

勇気 出して 話し てみる ほんと のこと 苦しんでも 報いたい

自分を変えたい もう1人じゃないから




注※すべて妄想です。

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6 Comments

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2023/06/11 (Sun) 11:47 | EDIT | REPLY |   

ねこぴあの  

鍵コメさんへ

鍵コメさん、口から先にって・・・(笑)

>一流企業に就職して素敵なパートナーに出会って毒親の実家と断絶・・・バスさん、がんばりましたね。

そうなんです!

バスくんは、自分の中にある辛い感情(憎しみ、怒り、罪悪感など)を抱えて生きてきたので、ずっと苦しかったんですよ。
苦しむのは、「あいつむかつく!」みたいな「他責」で終われないからでした。
「こんなことを考える自分はなんてひどい人間なんだろう」みたいな「自責」があるからこその辛さというか。
裕福でなくていいからごく普通の温かい家庭に生まれたかった、その願いは叶わずとも、自分がそういう家庭を作れたのです。誰にもいわなかったのはこれ以上傷つきたくないから、自分を守るためでした。でも愛を知って、他人を信じ他人を守るために勇気を出せたからこそ、作れたのです。
親から子へ、負の連鎖は続いてしまいがちですが、それも断ち切った、記念すべき曲なんですよ~9番。
妻も、余計なアドバイスを言わず、例え分からずとも痛みに寄り添う、理想的な姿ですよね。(全部妄想ですが、笑)

2023/06/11 (Sun) 12:18 | EDIT | REPLY |   

でかぽめ  

さすがの表現力!!そして素晴らしい妄想力です!
いつか、「私とシンフォニア〜15の物語」を書いてほしい!!!

この曲はキリストの受難を描いている
という解説がありますが、
「受難🟰育った環境」ですね。わかるわ、
両親は選べないもの。

バスの物語を読むうちに、小説を読んでいるような気になりました。

私は、今、シンフォニア8番をゆっくりタラタラ弾いています。
「海にぷかぷか浮いている船みたいなイメージ」
だなあと感じていたの。
この話をすれば、お仲間から
「どこまでも平和だね〜」と平面的な感想が返ってきそう。。。

ねこぴあのさんの9番の物語のように、深い、人間力にあふれた、かつ、立体的なイメージを持たなきゃね!シンフォニアだし。

2023/06/11 (Sun) 15:25 | EDIT | REPLY |   

Gari  

ねこぴあのさん、こんにちは。いつもながら素晴らしい作詞力ですね。怖い旋律とおっしゃっていたこの曲をハッピーエンドで締めくくる意外性に脱帽です。

2023/06/12 (Mon) 03:48 | EDIT | REPLY |   

ねこぴあの  

でかぽめさんへ

受難=不遇な家庭環境、そう言われてみたらなるほど!でした(本人は受難とは考えてなかった)。
小説を読むような、ですか~恐縮です。
まったくもって架空の人物を思いつくまま書いています。
15の物語~!
過去の妄想は各曲毎にどこにあるのかもう探すのも面倒で・・・(笑)
 
シンフォニア8番、練習が楽しかった記憶がありますよ~
でかぽめさんのイメージ、ゆったりしていて明るいですね。
海上で3人のドラマがあるかもしれませんよ?♪



2023/06/12 (Mon) 21:43 | EDIT | REPLY |   

ねこぴあの  

Gari さんへ

意外ですよね?自分でも相当意外です(笑)
でもそう感じてしまうものはしょうがないというか・・
歌詞が浮かぶ時って、何の脈絡もなく突然で、そこからぶわっと一気に妄想が膨らんでいくのですが、歌詞になっていく過程自体がものすごく楽しくて、夢中になって楽譜に書いてしまうのです。
よってわたしの「キチ○イ楽譜」はなるべく人に見られないようにしています(ブログには書いてるけど、笑)。

2023/06/12 (Mon) 21:46 | EDIT | REPLY |   

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